震災による事業休止または廃止のために賃金を受けられなくなった場合、実際に離職していなくても失業手当を支給できる特例措置を実施
東北地方太平洋沖地震による災害が「激甚災害」に指定されたことを受けて、厚生労働省は13日、雇用手当の失業保険支給に関する特例措置の実施を決定し、各都道府県労働局長に通達しました。今回決定された特例措置は、事業所が被災したため、やむを得ず事業の休止または廃止を余儀なくされたことにより、労働者が就労できずかつ賃金を受けることができない状態にある場合、実際に離職していなくても失業しているものとして失業の認定を行い、失業手当を支給できることとするものです。適用対象となる「政令で定める地域」は「全国の区域」とされていますが、対象となる労働者は東北地方太平洋沖地震および長野県北部の地震など一連の地震で災害を受けた雇用保険の適用事業所で雇用されている人に限られます。また、特例措置の期限については2012年3月10日とされています。
なお、東北地方太平洋沖地震に伴って厚生労働省から通達を発した上記以外の事項として、3月16日付け『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の被害状況及び対応について(第16報)』では次のようなものが挙げられています。
・労災保険給付の請求に係る事務処理に関して、請求書提出時の弾力的取り扱い、今回地震に伴う傷病の業務上外等の考え方、相談・請求の把握について都道府県労働局に指示(3月11日)
・労災保険の療養の給付の手続について、任意の様式によっても差し支えないこととした。また、非指定医療機関の指定の遡及適用や指定申請の勧奨等を行うこととした(3月14日)
・被災地域にある事業所について、労働保険料(一般拠出金を含む)の納付期限の延長及び猶予を行う旨を都道府県労働局長に通知(3月14日)及び関係団体に周知依頼(3月15日)
・被災地域内に主たる事務所が所在する事業主について、障害者雇用納付金の納付斯限を延長する旨、被災地域外に主たる事務所が所在する事業主に対しても、一定の要件を満たす場合は納付を猶予する旨を、高齢・障害者雇用支援機構及び都道府県労働局あて通知(3月15日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014y8o.html